そのレトロな雰囲気に一目惚れして購入する人も少なくないベスパ。あまたある他のスクーターとは一線を画す独創的なフォルムや、独特のエッジと曲線を融合させたクラシカルなデザイン、多彩なカラーリングはベスパの大きな魅力だ。自分のファッションスタイルに合わせて好みのカラーのベスパに乗れば、あなたの世界観が完成する。
ベスパとは、ラテン語で「スズメバチ」の意。ボディーのテールの形状が蜂のお尻に似ていることから、「ベスパ=スズメバチ」と名付けられた。横から見たとき、後ろから見たとき、ぷっくりとふくらんだ丸いヒップラインが何とも言えないかわいらしさを感じさせる。
スチールモノコックボディーは、ベスパの特徴のひとつ。二輪車では珍しいこのボディーは車体のなかにフレームを持たず、鉄製のボディー自体がフレームの役割を果たしている。プラスチックスクーターが主流の昨今、スチールモノコックボディーのベスパは独特の質感を放っている。
片持ち式のフロントサスペンションも、ベスパの外見に大きな個性を与えている。これは、航空機の前輪タイヤによく使われる方式で、ベスパを開発したピアジオ社が航空機製造を手がける会社だから生まれた構造。4つのボルトを脱着するだけで簡単にタイヤを交換できる。
一般的にベスパと言って多くの人がイメージするのは、「ヴィンテージシリーズ」というモデルだろう。ヴィンテージシリーズはイタリアでは1983年にいったん生産を終了しているが、日本での人気が高かったために再生産され2000年まで輸入されていた。現行モデルは、ヴィンテージシリーズの伝統を受け継ぎ、クラシカルな雰囲気を残しつつ新技術を取り入れて進化したもの。ヴィンテージシリーズを知る人にも受け入れられ、知らない人にも新鮮なスタイルとして人気を博している。
1947年モデル
1976年モデル
現行モデル